オフショア開発とは、アプリケーションやシステム開発業務を海外に委託・発注する手法のことです。日本企業にとって多くのメリットがあり、今注目を浴びている開発手法です。
本記事は初めてオフショア開発を検討している方に向けて、
「オフショア開発を活用することでどのようなメリットがあるのか」
「オフショア開発会社の発注先はどのように選定すればよいか」
などのご不安に対し、オフショア開発を活用するメリットと自社に合うオフショア会社の選定方法をご紹介致します。
オフショア開発とは
オフショア開発とは、ソフトウェア開発やシステム開発業務を海外の事業者や子会社に委託・発注することです。
コロナ過で日本のDX推進が加速したこと、リモートワークやオンラインミーティングが普及したことなどの影響により、大企業だけでなく中小企業においてもオフショア開発がエンジニアリソース確保における選択肢の一つとなり、オフショア開発は日本国内においてますます需要が高まっています。
オフショア開発を活用するメリット
オフショアを活用するメリットは・コスト削減ができる・IT人材を必要なタイミングで確保できる・案件に合う技術力の高い人材を確保できる・自社専用の開発チームが作れるなどが挙げられます。
オフショア開発のメリットについて詳しくご紹介していきます。
オフショア開発のメリット1:コスト削減ができる
オフショア開発の大きなメリットの一つは、コストが削減できることです。
日本と比較してエンジニアの人件費が安い国へ開発業務を委託することで、人件費を削減することができます。
例えば、ベトナムの人件費は日本の1/2~1/3程度と言われています。 同じ優秀なエンジニアを雇用するのに、ベトナムにおけるオフショア開発を活用することで、より少ない費用で開発を行うことができ、システム開発にかかる原価が削減できます。
システム開発費用の大半を占めるのが人件費で全体の8割を占めるとも言われているので、人件費を抑えることができればプロジェクトの営業利益を向上させることに繋がります。
また、エンジニアの人件費以外にもオフショア開発におけるコストメリットがあります。例えば【採用費】です。日本で開発を行う場合、プロジェクトメンバーが離職してしまうと、採用活動が必要となります。日本国内のITエンジニアの給与と共に採用費も高騰しており、1人採用するだけ数百万円の採用コストが発生してしまいます。一方オフショア開発を活用すれば、ITリソースをオフショア開発会社が確保してくれますので採用費はかかりません。人材も豊富なので、すぐに代わりの要員が見つかるでしょう。【採用業務に掛かる工数】も削減することができます。
また、PCやオフィスなどの設備費が掛からないこともオフショア開発を活用するコストメリットと言えます。
オフショア開発のメリット2:IT人材を必要なタイミングで確保できる
オフショア開発を活用することでIT人材を必要なタイミングで確保することができます。
日本国内と比較するとオフショア開発が盛んなアジア各国では若くて優秀なエンジニアが豊富で、転職稼働も盛んなことも理由に、ITエンジニアが転職市場に溢れています。
日本国内においてIT人材の有効求人倍率は8~10倍となっており、経済産業省の発表では、「2030年には、最大で79万人のIT人材が不足する」と予測されています。エンジニア採用に苦戦する企業は多く、人材確保競争も激化の一途を辿っています。エンジニアの採用できず、プロジェクトがなかなか開始できないということもあるでしょう。
一方、ベトナムやバングラディッシュをはじめとしたオフショア開発国ではエンジニアが豊富でリソースが確保しやすく、さらに情報通信分野やデジタル分野での企業が増加しており、国策としてエンジニア教育に力を入れていることから、今後も若くて優秀なエンジニアが増えていくことが予想されます。
オフショア開発を活用することで、プロジェクトに合うスキルや技術を持つエンジニアを日本国内より早く確保できるため、必要なタイミングで確保することができます。エンジニアを採用できないからプロジェクトが開始できないなどと言った声も日本では聞きますが、プロジェクトの開始時期が遅れる心配が少ないこともオフショア開発のメリットの一つです。
オフショア開発のメリット3:案件に合う技術力の高い人材を確保できる
オフショア開発を活用することで、案件に合う技術力の高い人材を確保することができます。
例えば、オフショア開発で人気のベトナムのエンジニア人件費は日本と比較すると安いですが、エンジニア職はベトナム現地の他の職種と比較すると給与水準が高く、また長く勤められる職種であることから、IT企業への入社を希望する若者が年々増えており、人気の高い職種です。それに伴い、大学でITを学ぶ生徒も増えており、大学3年生になるとインターンシップとして企業で開発の経験を積み、技術力を身に着けます。卒業する頃には1人前のエンジニアとして活躍できるようになっています。
最新の技術を身についており、また年齢も若い為、呑み込みが早く事業理解や技術力の向上も見込めます。時には提案をしてくれることもあるでしょう。技術力の高く、また人件費も抑えられた若いエンジニアを確保できることは日本企業にとってとても魅力的ではないでしょうか。
オフショア開発のメリット4:自社専用の開発チームが作れる
オフショア開発ではラボ契約(準委任契約)を締結することでプロジェクトに必要なスキルを持つエンジニアによって編成された自社専用の開発チームを作ることができます。
ラボ契約は契約期間内であれば自由に開発を行うことができ、仕様変更なども柔軟に対応できます。詳細な仕様が定まっておらず、開発しながら決めていきたいプロジェクトなどにとても向いています。
また、開発チームメンバーを固定することができるため、サービスやシステムのノウハウやナレッジ蓄積することができ、生産性と品質が安定した開発を行うことができるのもラボ契約の特徴の一つです。
オフショア開発を活用することによって自社の開発チームのように自由な指示出しができる専用の開発チームを作ることができます。
>>関連記事「オフショア開発における5つのデメリットと失敗しない為に知っておきたい4つのポイント」
ここまでオフショア開発の活用メリットについてご紹介させて頂きました。
ここからは、自社に合うオフショア開発会社の選び方をステップごとにご紹介します。
「オフショア開発を導入したいけど、オフショア開発会社がたくさんあり、どの会社に依頼すればよいかわからない」とお悩みの方も多いのはないでしょうか。
自社に合っていないオフショア開発会社を選んでしまうとせっかくのオフショア活用が失敗に終わってしまう可能性もあります。
オフショア会社の選定方法≪自社に合うオフショア開発会社の選び方≫
オフショア開発会社を選定するには4つのポイントがあります。
- オフショア開発を依頼する国を選ぶ
- オフショア開発の運営会社を選定する
- オフショア開発会社の得意分野・開発実績を確認する
- オフショア開発会社の品質基準を確認
それぞれにステップについて気を付けるポイントをご紹介しますので、ぜひこちらを参考に自社に合うオフショア開発会社を探してみてください。
オフショア開発会社の選び方1:オフショア開発を依頼する国を選ぶ
まずはオフショア開発を依頼する国を選びましょう。
現在オフショア開発で人気の国は中国、ベトナム、インド、ミャンマーの4ヶ国が挙げられます。
IT大国として優秀な技術者の多いインド、オフショア開発の長い歴史がある中国は、依然として大きな需要がありますが、近年、オフショア開発先として人気を集めているのはベトナムです。これにはインド、中国に比べて人件費が安い、親日で真面目な国民性などの要因が大きいと思われます。 また、ベトナムは国策としてエンジニアを増やしている為、日本では確保しにくい優秀なエンジニアがベトナムでは確保しやすいという事情もあります。日本語ができる人が多いというのもベトナムの特徴でこれらがベトナムオフショア開発が人気となっている理由です。
中国はもともと日本企業のオフショア開発委託先として非常に人気のある国でした。しかし、2012年ころには中国国内で大規模な反日デモなども行われるなど政治的なリスクも発生し、また、賃金レベルもかなり上昇したことから、オフショア開発先国として別の国での検討が進むようになったと言われています。
上記以外にもフィリピン、タイ、インドネシア、バングラディッシュなどがオフショア開発先国としてあげられます。ミャンマーは近年の政治クーデターもあり、安定的な体制確保問観点では難しさが残っています。また、英語での対応が可能なインドネシアはオフショア開発の人気が高まっている国のひとつであり、今後の動向が注目されています。
オフショア開発会社の選び方2:オフショア開発の運営会社を選定する
オフショア開発先の国が決定したら、次に運営会社を選定しましょう。
運営会社には【現地法人が運営するオフショア開発会社】【日系企業が運営するオフショア開発会社】【外資系企業が運営するオフショア開発会社】の大きく3つのパターンに分かれます
(1)【現地法人が運営するオフショア開発会社】
現地法人が運営するオフショア開発会社の特徴は、過去に日本で経験を積んだ方、留学を経験した方が現地でオフショア開発会社立ち上げるなどのケースが多いです。経営層、エンジニアは現地人で親会社として運営し、日本法人は営業の窓口として存在します。現地の動員力があり、日本人が介在しない分、単価が安い傾向がありますが、一方、日本語教育等に力を入れていない為、開発を進めて行く中でコミュニケーション面で認識の違いが起きやすい特徴もあります。
(2)【日系企業が運営するオフショア開発会社】
日系企業が運営するオフショア開発会社の特徴は日本企業が運営しており、日本人が窓口となって契約やサポートを行ってくれる点です。プロジェクト管理~品質の担保まで日本式で行い、コミュニケーションもスムーズに行うことが為、安心してオフショア開発に取り組むことができるでしょう。また「日本の文化・ビジネス・商習慣の教育」「日本語教育」「スキルアップ」などに積極的に取り組む企業が多いのも日系企業の特徴です。こちらは日本人が介入するということもあり現地法人が運営会社よりはやや高めの単価設定となることがほとんどです。
(3)【外資系企業が運営するオフショア開発会社】
外資系企業が運営するオフショア開発会社の特徴として、コミュニケーション手段が基本的に英語で行います。 高いクオリティや技術力が武器の為、価格が高く設定されていることが有ります。グローバル展開を狙うプロジェクトや英語のコミュニケーションができる人材が社内にいれば活用するメリットが大きいです。
このように、それぞれの強み、弱みを確認し、より自社と相性の良い運営会社を選ぶことをお勧めします。
オフショア開発会社の選び方3:オフショア開発会社の得意分野・開発実績を確認する
依頼したい案件に合うオフショア開発会社を選びましょう
下記を参考にオフショア開発会社とWEB面談を実施して、過去の開発実績や得意分野を確認することをお勧めします。
サービス種類 | 開発言語 | 新テクノロジー |
・ 業務システム ・WEBシステム/モバイルアプリケーション ・マイグレーション ・組み込み系 ・ホームページ制作 ・BPO ・テスティング | ・ Python ・JAVA ・PHP等 | ・IoT ・AI ・RPA等 |
オフショア開発会社の選び方4:オフショア開発会社の品質基準を確認
オフショア開発会社の品質管理基準やセキュリティについて確認しましょう
下記を参考にオフショア開発会社とWEB面談を実施して、品質管理の方法やセキュリティ対策について確認することをお勧めします。
開発標準・品質管理基準 | エンジニア質 |
・開発手順 ・レビュー方式 ・品質管理プロセス、管理基準 ・翻訳の品質 ・体制 | ・コミュニケーション力 ・技術力 |
以上ここまで、自社に合うオフショア開発会社の選び方を紹介させて頂きました。
ただ、WEB会議だけでは実態が見えない部分もありますので、可能であれば実際に現地へ行ってオフィスの立地やセキュリティ管理、エンジニアの日本語力や技術力を確認することをお勧めします。 その際はオフショア開発会社が行っている視察ツアーなどを活用すると良いでしょう。
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ベトナムオフショア開発ならスマラボ
ここまでお読み頂きありがとうございます。
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