オフショアという言葉をご存じでしょうか。
実は、「オフショア」という言葉は分野によって少しずつ使われ方が異なります。
本記事では「オフショア」の言葉の意味やビジネス用語、活用メリットなどをご紹介します
目次
オフショアとは?簡単にご紹介
オフショアの意味
オフショアは、ビジネスの場で使われる単語で特にIT業界で多く使用されます。
オフショア(offshore)とは、「離れて」という意味の off と「岸」を意味する shore が組み合わさった言葉で、本来は「そこから離れること」という意味を持ちます。
オフショアとは、ビジネスの場合は「自分の国から離れた地域」を表し、「海外」という意味で使用されます。
ビジネス以外の場合、「陸から海の方向に向かって吹く風」を表し、 「陸風」という意味で使われます。例えば、スポーツのサーフィン等で用いられます。
オフショアに似ている言葉
オフショアは「海外」を意味することをお伝えしましたが、オフショアに似た言葉で「オンショア」と「ニアショア」という言葉あります。 それぞれの用語について詳しく見て行きましょう
オンショア
オンショアは英語で書くと On shore となり、Off shore の対義語で、「海から陸に向かって吹く風」という意味です。
ビジネスでは「自国内」という意味です。例えばオフショア開発は海外の拠点でシステム開発を行うことを表しますが、オンショア開発は本拠地の自社内で完結させる開発体制のことを言います。また金融業界にておいてオンショアは「国内金融市場」と訳され、取引では国内の規制や税制が適用されます。
ニアショア
ニアショアは英語で書くと near shore となり、「近くの海外」や「そばにある沿岸」という意味です。
ビジネスでは「地方企業へ委託する」意味として使われます。IT業界においては国内の地方企業にシステム開発業務を委託することをニアショア開発と言います。地方であれば首都圏よりも人件費を抑えることができるというメリットがあります。
オフショアのビジネス用語
オフショアはビジネスシーンでは「海外」や「海外市場」という意味で使われ、IT業界では【オフショア開発】や金融業界「オフショア投資」というビジネス用語がよく使われています。それぞれの用語について詳しく見て行きましょう
オフショア開発(IT業界)
オフショア開発とは、IT業界で使われている言葉で、情報システムやソフトウェアのシステム開発業務を海外の事業者や子会社に委託・発注することです。新興国や発展途上国など日本と比べて物価や人件費の安い地域に業務の一部を移し、コスト削減とエンジニアリソースの確保を叶える手法のことです。日本におけるオフショア開発の委託先国はベトナムや中国を始め、インドやフィリピン、ミャンマーなどが多く活用されています
オフショア投資(金融業界)
オフショア投資とは、海外へ直接金融投資をして資産運用することを指します。主な投資先は税金がかからない、もしくは税金が少ない 租税回避地(タックスヘイブン) と呼ばれる海外の国や地域です。 金融業界ではオフショア=「タックスヘイブン」という意味で用いられることが多いようです。
オフショア生産(メーカー)
オフショア生産とは、発展途上国が減免税などの優遇措置を設定した地域に、先進国の民間資本が工場を設け、本国や第三国向けの輸出を主な目的に生産を行なうことです。発展途上国側においても、工業化の促進あるいは外資の獲得、雇用の増大などの利点があります。
このようにオフショアを用いたビジネス用語はいくつもありますが、業界によって「オフショア」で表現する地域や意味合いが少し異なることを覚えておくと良いでしょう。
ここからはIT業界におけるオフショア開発について詳しく見て行きましょう
オフショア開発とはを簡単にご紹介
オフショア開発とは、情報システムやソフトウェアのシステム開発業務を海外の事業者や子会社に委託・発注することです。
日本のエンジニア不足が深刻化しているなかで、オフショア開発先となる国は日本と比較して人件費が安く、労働人口が多いことからエンジニア人材も豊富です。コスト削減、また人材不足を解決できるとして、現在多くの国内企業から注目を集めています。
オフショア開発について特徴を見て行きましょう
オフショア開発で人気の国
現在オフショア開発で人気の国は中国、ベトナム、インド、ミャンマーの4ヶ国が挙げられます。
IT大国として優秀な技術者の多いインド、オフショア開発の長い歴史がある中国は、依然として大きな需要がありますが、近年、オフショア開発先として人気を集めているのはベトナムです。
ベトナムが人気の理由としては、インド・中国に比べて人件費が安いこと、親日で真面目な国民性などが日本と相性がよいと言われています。 また、ベトナムは国策としてエンジニアを増やしている為、日本では確保しにくい優秀なエンジニアがベトナムでは確保しやすいという事情もあります。日本語ができる人が多いというのもベトナムの特徴です。これらのポイントがベトナムオフショア開発が人気となっている理由です。
オフショア開発のメリット
オフショア開発を活用するメリットは大きく下記3つが挙げられます
- コスト削減ができる
- IT人材を必要なタイミングで確保できる
- 自社専用の開発チーム
オフショア開発のデメリット
オフショア開発では、言語の壁・文化の壁・時差・物理的距離などの要因から下記のようなデメリットが発生する可能性があります。
- コミュニケーションコストが高くなる
- 時差などの影響によるスケジュール遅延
- ビジネス習慣の違いなどを理解する必要がある
まとめ
オフショアとはビジネスでは「海外」という意味で使われ、IT業界や金融業界でよく利用されます。IT業界においてはコスト削減を目的にオフショア開発が活用されており、金融業界においては税率の少ない国で資産運用を行うオフショア投資が行われております。オフショアと聞いただけでは何を指しているのか判断できないのでオフショアの後にくる言葉をしっかりと確認する必要があります。
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