オフショア開発を活用することで、開発コストの削減やエンジニアリソース不足を解決できるなどのメリットがあります。
しかし、依頼する会社選びに失敗してしまうと、納期の遅延、期待と異なる作成物が出来上がるなどの事態に陥ってしまうことがあります。
オフショア開発を成功させる為には自社に合うオフショア開発会社を選ぶことがとても重要です。
本記事ではオフショア開発で失敗しないために、事前に知っておきたい「オフショア開発会社選びを成功させる為の4つのステップ」をご紹介します!
目次
オフショア開発会社選びを成功させる為の4つのステップ
オフショア開発会社の選定方法について、4つのステップを解説しています。
ステップ1:予算や要件を明確にしておく
ステップ2:オフショア開発国を選ぶ
ステップ3:オフショア開発会社を選ぶ
ステップ4:契約を行う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:要件や予算を明確にしておく
オフショア開発を行う上では、要件を明確にしておくことが重要です。まずはどんな機能を実装し、どれほどの性能を満たさなければならないかを明確にしておきましょう。途中で要件の追加や変更があった場合には、想定よりも多くの工数がかかる、そもそも対応ができないなどの問題が発生することもあるので注意が必要です。(上流工程から相談できるオフショア開発会社もありますので、社内で検討が進まない場合はまず、相談してみてもいいかもしれません!)
また、依頼前にはおおよその予算を決めておくといいでしょう。予算が決まっていると、次の「オフショア開発国を選ぶ」「オフショア開発会社を選ぶ」ステップで、どこに依頼をすべきかの選択がスムーズになります。
ステップ2:オフショア開発国を選ぶ
次にオフショア開発を依頼する国を選びましょう。代表的な国としてベトナム、中国、インド、フィリピン、ミャンマー、バングラディッシュなどがあります。
国名 | 特徴 | 人月単価 |
ベトナム | ・日本語学習者が多い ・日本のオフショア開発の経験が豊富 ・進出している日系企業が多い | 比較的安い |
中国 | ・日本語学習者が比較的多い ・2010年頃まではオフショア開発が盛んであったが、近年は減少傾向 | 高い |
インド | ・基本は英語でのやりとり ・中国同様、以前はオフショア開発が盛んであったが、近年は減少傾向 | 高い |
フィリピン | ・基本は英語でのやりとり ・日本のオフショア開発経験がある企業が少ない | 比較的安い |
ミャンマー | ・日本語学習者が比較的多い ・政情やインフラの不安定さによる懸念 | 安い |
バングラデシュ | ・基本は英語でのやりとり ・日本のオフショア開発経験がある企業は少ない | 安い |
それぞれの特徴を理解した上で国を選ぶといいでしょう。
最近はベトナムでのオフショア開発が主流になっています。ベトナムは日本語学習者も多いためコミュニケーションコストも低く抑えることができ、人月単価も比較的安い、バランスの取れた国です。これからオフショア開発を検討している方は、ぜひ候補に入れてみてください。
ステップ3:オフショア開発会社を選ぶ
オフショア開発国が決まった後は、実際にオフショア開発を行う会社を選んでいきます。
ベトナムや中国など、オフショア開発が盛んな国ではオフショア開発会社の選択肢が多いです。数多くの企業の中から一社を選ぶことになります。
数あるオフショア開発会社から、自社の要件に合うオフショア開発会社を選ぶポイントは3つあります。
(1)運営会社を選ぶ
(2)得意分野や開発実績を確認する
(3)品質管理を確認する
それぞれ見て行きましょう。
(1)運営会社を選ぶ
まずはオフショア開発の運営会社を選びましょう。オフショア開発の運営会社は「現地法人が運営するオフショア開発会社」「日系企業が運営するオフショア開発会社」「外資系企業が運営するオフショア開発会社」の大きく3つのパターンに分かれます。
それぞれの強み、弱みを確認し、より自社と相性の良い運営会社を選ぶことをお勧めします。
【現地法人が運営するオフショア開発会社】
現地法人が運営するオフショア開発会社の特徴は、過去に日本で経験を積んだ方、留学を経験した方が現地でオフショア開発会社立ち上げるなどのケースが多いです。経営層、エンジニアは現地人で親会社として運営し、日本法人は営業の窓口として存在します。現地の動員力があり、日本人が介在しない分、単価が安い傾向がありますが、一方、日本語教育等に力を入れていない為、開発を進めて行く中でコミュニケーション面で認識の違いが起きやすい特徴もあります。
【日系企業が運営するオフショア開発会社】
日系企業が運営するオフショア開発会社の特徴は日本企業が運営しており、日本人が窓口となって契約やサポートを行ってくれる点です。プロジェクト管理~品質の担保まで日本式で行い、コミュニケーションもスムーズに行うことが為、安心してオフショア開発に取り組むことができるでしょう。また「日本の文化・ビジネス・商習慣の教育」「日本語教育」「スキルアップ」などに積極的に取り組む企業が多いのも日系企業の特徴です。こちらは日本人が介入するということもあり現地法人が運営会社よりはやや高めの単価設定となることがほとんどです。
【外資系企業が運営するオフショア開発会社】
外資系企業が運営するオフショア開発会社の特徴として、コミュニケーション手段が基本的に英語で行います。 高いクオリティや技術力が武器の為、価格が高く設定されていることが有ります。グローバル展開を狙うプロジェクトや英語のコミュニケーションができる人材が社内にいれば活用するメリットが大きいです。
このように、それぞれの強み、弱みを確認し、より自社と相性の良い運営会社を選ぶことをお勧めします。
(2)得意分野や開発実績を確認する
オフショア開発会社を選ぶ際は「案件と近しい実績があるかどうか」を見ていくといいでしょう。
オフショア開発では、文化や考え方の違いから、想定外のコミュニケーションコストがかかることが多々あります。日本では暗黙の了解とされていることも、オフショア開発では一から説明しないと伝わらないこともあります。
案件と近しい実績があれば、比較的円滑に開発を進められることでしょう。問い合わせをする際には、ぜひ確認するようにしてください。
(3)品質管理を確認する
オフショア開発会社を選ぶ際は「どのような品質管理をしているか」を見ていくといいでしょう。
事前に品質管理プロセスやレビュー方法について質問することで、どのような体制が組まれているか、どのようなクオリティの物が提出されるのか、イメージしておくと良いでしょうか。
日本の品質は高いと言われており、日本の当たり前品質がオフショア開発では当たり前ではないことが多いので注意が必要です。
ステップ4:契約を締結する
オフショア開発を行う会社を決めた後は契約を行います。
日系企業を選択した場合、日本国内で契約し日本円で支払いできますが、現地法人の場合は英語や現地語の契約書での対応、また現地通貨での支払いが必要となる場合があります。
現地法人と契約する場合は、契約書の翻訳やリーガルチェック、海外送金などの手間がかかります。契約や支払いのためのリソースを割けない場合は、日系企業を選ぶといいでしょう。
まとめ
初めてのオフショア開発を取り組む際は、不安が多いかと思います。オフショア開発会社を選ぶ前に、相談がしやすいか、コミュニケーションはうまく取れるかなども確認しておくこともお勧めします。
可能であれば現地に赴き、その会社の雰囲気や開発環境などを確認することをお勧め致します。
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