「ベトナムのエンジニアはすぐ辞めてしまうのでは?」——オフショア開発を検討する日本企業の多くが、この不安を抱えています。実際、ベトナムIT業界の離職率は一般的に高いと言われており、担当エンジニアが途中で抜けてしまえば、プロジェクトの継続性に深刻な影響を与えます。しかし、この問題は「ベトナムだから仕方ない」で片付けるべきではありません。適切な観点でベンダーを選べば、離職リスクは大幅に低減できます。本記事では、離職率を気にする企業が確認すべき具体的なポイントを整理します。
なぜベトナムIT業界の離職率は高いのか
まず前提として、なぜベトナムのIT人材の離職率が高い傾向にあるのかを理解しておく必要があります。ベトナムは現在、IT人材の需給が逼迫しており、優秀なエンジニアほど複数の企業からオファーを受け続けています。給与水準の急速な上昇も続いており、年収が2〜3割上がるオファーがあれば転職するのは自然な流れです。
また、ベトナムには「同じ会社に長く勤めることが美徳」という文化的土台が日本ほど強くありません。スキルアップや待遇向上を求めてキャリアを積極的に設計する姿勢が一般的です。これはネガティブな文化的差異ではなく、単純に「市場の構造が違う」と理解すべき点です。
問題は、このような市場環境の中でも、**プロジェクトの安定性を担保できるベンダーと、できないベンダーが存在する**ということです。その違いはどこにあるのでしょうか。
離職リスクを確認するための5つのポイント
① エンジニアの平均在籍年数と離職率の実績を聞く
まず最初に確認すべきは、ベンダー自身のエンジニア離職率です。「業界全体の離職率は高いが、自社は〇%に抑えている」という具体的な数字を示せるベンダーは信頼性が高いといえます。また、単なる数字だけでなく、「なぜ離職率を低く保てているのか」という理由と施策を説明できるかどうかも重要な確認ポイントです。
具体的には、「チームメンバーの平均在籍年数は?」「過去1年間でプロジェクト途中に離脱したエンジニアはいたか?」「その場合の引き継ぎはどのように対応したか?」といった質問を直接してみてください。回答が曖昧だったり、過去の離職事例に触れたがらないベンダーは注意が必要です。
② 給与・待遇の水準と定着施策を確認する
エンジニアの定着率を高めるためには、市場競争力のある給与水準と、待遇面での継続的な改善が不可欠です。優良なベンダーは、エンジニアの給与を定期的に見直し、パフォーマンス評価に基づいた昇給制度を持っています。また、技術研修・資格取得支援・社内勉強会など、エンジニアのキャリア成長を支援する仕組みも定着率に直結します。
「エンジニアへの投資」を惜しまないベンダーは、人材の定着率が高い傾向があります。逆に、コスト削減を優先してエンジニアへの待遇が低いベンダーでは、優秀な人材から順に流出していくリスクがあります。
③ チーム構成と引き継ぎ体制を確認する
仮にエンジニアが離職した場合でも、**プロジェクトが止まらない体制**があるかどうかを確認することが重要です。具体的には、「担当エンジニアが1名だけ」という体制は非常にリスクが高い。複数名のチームで業務知識が共有されており、サブ担当が存在する体制であれば、1名が抜けてもプロジェクトへの影響を最小化できます。
また、引き継ぎのプロセスが標準化されているかどうかも重要です。コードのドキュメント化ルール、タスク管理ツールの活用状況、ナレッジベースの整備状況などを確認してみてください。
④ 日本語・日本市場への理解度を確認する
ベトナムのエンジニアが日本企業向けプロジェクトに長く携わるためには、単なる技術力だけでなく、日本のビジネス文化や品質基準への理解が必要です。日本企業との協業経験が豊富なチームは、「日本クライアントの期待値」を理解しており、コミュニケーションの摩擦が少ない分、エンジニア自身のストレスも少なく、定着しやすい傾向があります。
「このチームは日本向けプロジェクトを何年やっているか」「日本語でのコミュニケーションはどの程度できるか」「日本人PMや日本駐在スタッフとの連携はどうか」——これらの確認が重要です。
⑤ ラボ型契約でチームの固定化を検討する
離職リスクへの構造的な対策として、**ラボ型(専属チーム型)契約**の活用があります。特定のエンジニアチームを自社専属として契約することで、チームがプロジェクトのコンテキストを深く保有し、安定した開発を継続できます。
ラボ型では、エンジニアが「このクライアントのプロジェクトが自分の主要業務」という認識を持ちやすく、プロジェクトへの帰属意識が高まります。また、ベンダー側もラボメンバーの定着に強いインセンティブを持つため、優先的に人材を確保しようとします。
スマラボの離職率対策:定着率を高める4つの取り組み
スマラボでは、エンジニアの定着率向上を経営上の最優先課題の一つとして位置づけ、以下の施策を継続的に実施しています。
1. 市場競争力のある報酬体系
スマラボのエンジニア給与は、ベトナム国内のIT市場水準を定期的にリサーチし、競争力のある水準を維持しています。パフォーマンス評価に基づく半期ごとの昇給制度を設け、「頑張れば報われる」という明確なキャリアパスを提供しています。
2. 日本語・技術研修への継続投資
日本語コミュニケーション研修、最新技術(AI・クラウド・モバイル等)のキャッチアップ勉強会、技術資格取得支援など、エンジニアの成長を支援するプログラムを常時提供しています。「学べる環境」はエンジニアの定着に直結します。
3. 日本駐在PMによる密なコミュニケーション
日本人PMがベトナムチームと日常的にコミュニケーションを取り、困っていることや将来のキャリア希望を定期的にヒアリングしています。エンジニアが「組織に見えている」と感じることが、長期定着の重要な要因になります。
4. チーム制による業務知識の分散管理
スマラボでは原則として、プロジェクトに複数名のエンジニアをアサインし、業務知識をチーム全体で共有する体制を取っています。万が一メンバーが変更になった場合でも、引き継ぎがスムーズに進む仕組みを整えています。
まとめ:離職率は「ベンダー選びの基準」として使える
ベトナムオフショアの離職率問題は、「ベトナムだから」ではなく「ベンダーの体制と施策次第」で大きく変わります。離職率に関する具体的な質問に誠実に答えられるベンダー、定着のための施策を持つベンダーを選ぶことが、長期的に安定したプロジェクト運営の鍵です。
スマラボでは、離職率・定着施策・引き継ぎ体制について詳しくご説明できます。「本当に長く付き合えるパートナーを探している」という方は、まずお気軽にご相談ください。
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