オフショア開発は、日本のIT人材不足を解決する手段です。
日本国内では数年前からDXの推進・内製化などの取り組みが推進され、IT人材不足は益々深刻な課題となっています。
その中で日本のIT人材不足の解決策として今、注目されているのが「オフショア開発」です
本記事ではオフショア開発を検討中の方へ向けて、オフショア開発の活用目的や最新情報を分かりやすいく解説していきます。

オフショア開発とは簡単に

「オフショア開発とは」を簡単に説明すると、日本国内よりも人件費の安い海外のエンジニアリソースを活用してシステム開発を進めることです。

日本のエンジニア不足が深刻化しているなかで、オフショア開発先となる国は日本と比較して人件費が安く、労働人口が多いことからエンジニア人材も豊富です。コスト削減に加えて人材不足を解決できる手段として、現在多くの国内企業から注目を集めています。

委託先の国はベトナムや中国を始め、インドやフィリピン、ミャンマーなどが多く活用されています

オフショア開発の活用目的とは

オフショア開発の活用目的は「コスト削減」「IT人材のリソース確保」「高い技術力」の3つが上げられます

オフショア開発は、日本企業においては1990年代ごろから取り組み始めたと言われており、 国内より賃金が安い海外のエンジニアを活用することで人件費を抑える「コスト削減」の手段の1つとして活用されてきました。
近年では日本国内のITリソース確保がより一層厳しくなっていることから「IT人材のリソース確保」や「高い技術力」を求めてオフショア開発を活用する企業が増えています。

オフショア開発を検討した理由・目的の比較表
 出典:『オフショア開発白書(2022年版)』(オフショア開発. com)

上記の図はオフショア開発. comが196社に実施した「オフショア開発を検討した理由・目的」アンケート結果です

「コスト削減」がトップの回答ではあるものの、「国内のリソースが不足していたため」という回答とほぼ変わらない結果になっています。また3つ目には「グローバル戦略の一貫」の回答が多くなっており、オフショア開発は成長戦略の一つの手段として活用されていることも分かります。

オフショア開発の活用が注目される理由

コロナ禍で一気に進んだ日本企業のDX推進によるエンジニア不足を背景に、オフショア開発はますます需要が高まっています。2022年の今、オフショア開発が注目されている理由についてお伝えします。

開発コストを抑えることができる

日本国内のエンジニアの年収は年々上昇しており、そこにエンジニア不足が重なることで、企業の採用投資額も高騰しています。そこで注目されているのがオフショア開発です。賃金が安い海外のエンジニアを活用することで人件費を抑えて、開発コストを削減することができます。

日本国内におけるIT人材不足の解決手段

日本国内は慢性的なIT人材不足となっています。
情報化とグローバル化が急速に進展する現代において、それに伴ったソフトウェア開発者など多くのIT人材を必要としております。
経済産業省によるIT人材不足の将来推計によると2030年には約41万以上のIT人材が不足すると予想されており、 日本のIT人材不足は深刻です。
IT開発リソースの確保が急務の課題となっており、 日本国内だけではその需要増に供給が追いつかないことからオフショア開発を導入する企業が年々増加しています。

オフショア開発先国のエンジニアの技術力向上

オフショア開発が盛んな発展途上国ではより高い給与がもらえるIT職はとても人気があります。近年では国策としてIT人材の教育・輩出に力をいれている国もあり、大学でITスキルを身に着けた若くて優秀なエンジニアが毎年多く輩出されています。 また大学卒業後も自身のスキルアップ(給与アップ)のために日々勉強を積み重ね、新しいことにチャレンジする向上心の高い人材も多いです。 オフショア開発の案件はWEBサービス、アプリケーション開発、業務システムといったものが中心ですが、 日本ではなかなか見つからないAIやIoT,VRなど新しい技術を身に着けたエンジニアを見つけることもできます。 案件ベースで柔軟に必要リソースを供給できる体制が組むことができ、オフショア開発における技術力の懸念が払拭されたと言えます。

オフショア開発の成熟期

オフショア開発は1980年代頃中国で始まったと言われており、その後インド、東南アジア、東欧、アフリカなど世界中の人件費が安い国で盛んに行われています。
オフショア開発はその長い歴史の中で成功失敗や経験、知見を積み今に至ります。例えば新卒で採用したITエンジニアの育成が1-2年で出来るわけではないのと同じように、オフショア開発も寄せ集めのチーム、あるいは、プログラムが出来るだけでうまくいくわけではありません。

会社としての成熟度、マネージメントの成熟度、少し前の基礎技術の理解、大学などでの教育体制の確保、社会的責任に対する国民の理解、様々な条件が時間を経て成熟し、今に至っています。
オフショア開発国の教育が進んだことによりオフショア先国の技術力は今や日本国内のエンジニアと相違ありません。
かつてオフショア開発で失敗したという方々も、今ならば、という声も上がっています。

世界的にリモートワークが浸透

リモートワークでの働き方やZoomなどを活用したWeb会議がここ数年で一般化したことにより、これまでは現地に行かないと実現出来ないと考えられていたオフショア開発チームとのチームビルディングも、Web画面上で実施することに対して漠然とした不安を感じなくなり、オフショア開発に対するハードルが下がったとも言えます。

ダイバーシティの浸透

ダイバーシティが浸透したことにより、大企業だけでなく、中小企業やスタートアップ企業も最新技術を身に着けた若くて優秀なエンジニアの確保にオフショア開発の活用を取り入れています。

DX推進が進みオフショアで内製化を進める企業が急増

コロナ禍をきっかけに、業務のデジタル化やDXに取り組む企業が増えました。
もともと慢性的にエンジニア不足だったのに加え、各社がIT投資を積極的に行った結果、 IT人材不足に拍車が掛かりました。IT人材の需要が増えたことにより派遣(SES)を活用してもなかなか自社に合う人材の提案がないという事態も起こっています。
「IT人材の確保」だけでなく、「オフショア開発を活用した内製化」を実現するためにもオフショア開発を活用する企業が増えています。

>>関連記事:オフショア開発会社の選び方

オフショア開発の最新動向

オフショア開発が注目される理由でも少しお話ししましたが、オフショア開発市場においてもコロナ過を機にイノベーションが起こっています。

これまでは「オフショア開発=コスト削減」というイメージが根強くありましたが、DX推進などの影響により「コスト削減」から「ITリソースの確保」の手段としてオフショア開発を選択する企業が増えています。

また、以前は大企業やSIerが大きな投資を行いオフショア開発(海外)を活用することが多かったですが、2022年現在はエンドユーザーや 非IT企業 もオフショア開発を積極的に活用しています。

さらに、リソースを提供するオフショア開発会社側にも変化が起こっています。例えばベトナムには日系企業のオフショア開発会社が多くあり、各企業が「差別化」を図るために自社の強みを強化しています。
これにより「リソースの提供」のみならず「特化した独自サービス」を提供することができ、オフショア開発会社の選び方にも幅が広がっています。

オフショア開発で人気の国

現在オフショア開発で人気の国は中国、ベトナム、インド、ミャンマーの4ヶ国が挙げられます。

IT大国として優秀な技術者の多いインド、オフショア開発の長い歴史がある中国は、依然として大きな需要がありますが、近年、オフショア開発先として人気を集めているのはベトナムです。
ベトナムが人気の理由としては、インド・中国に比べて人件費が安いこと、親日で真面目な国民性などが日本と相性がよいと言われています。 また、ベトナムは国策としてエンジニアを増やしている為、日本では確保しにくい優秀なエンジニアがベトナムでは確保しやすいという事情もあります。日本語ができる人が多いというのもベトナムの特徴です。これらのポイントがベトナムオフショア開発が人気となっている理由です。

中国はもともと日本企業のオフショア開発委託先として非常に人気のある国でした。しかし、2012年ころには中国国内で大規模な反日デモなども行われるなど政治的なリスクも発生し、また、賃金レベルもかなり上昇したことから、オフショア開発先国として別の国での検討が進むようになったと言われています。

上記以外にもフィリピン、タイ、インドネシア、バングラディッシュなどがオフショア開発先国としてあげられます。ミャンマーは近年の政治クーデターもあり、安定的な体制確保問観点では難しさが残っています。また、英語での対応が可能なインドネシアはオフショア開発の人気が高まっている国のひとつであり、今後の動向が注目されています。

>>関連記事:ベトナムオフショア開発の7つのメリットとは?

まとめ

オフショア開発とは日本のエンジニア不足を解消するための開発手法です。今後より一層日本国内のエンジニア不足が進むと予測されており、日本企業がエンジニア人材を確保するためにはオフショア活用が必要不可欠です。

ようやく、海外出張も可能となってきましたので、オフショア開発をスタートする前には、ぜひオフショア開発先国の現地に赴き、開発環境や現地スタッフを会話を行い納得した上でオフショア開発をスタートすることをお勧めします。

ベトナムオフショア開発ならスマラボ

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