GUIDE

ベトナムオフショア開発会社の
選び方と比較チェックリスト

委託先は、全社に同じ質問をして、答えを並べると比べられます。 そのための7つの観点と、そのまま使える質問リスト。さらに、チームを外注先ではなく自社の中核として動かせるかを確かめる4つの条件をまとめました。 IDS自身の回答も併記しています。他社の答えと並べて、判断材料にしてください。

まず、その単価が誰の単価かをそろえます

2026年のベトナムの人月単価は、プログラマー40.1万円、シニアエンジニア50.0万円、ブリッジSE59.0万円、PM71.4万円。『オフショア開発白書2025年版』にもとづく数値です。

職種ベトナムの人月単価(2026年)
プログラマー40.1万円
シニアエンジニア50.0万円
ブリッジSE59.0万円
PM71.4万円

出典:『オフショア開発白書2025年版』にもとづく2026年のベトナム人月単価(オフショア開発.com公開値)。

この表を見て「35万円の会社が一番安い」と判断すると、たいてい後で崩れます。単価が誰の単価なのかが会社ごとに違うからです。プログラマー単体の金額を出す会社と、ブリッジSEと日本側の管理工数まで含んだ金額を出す会社が、同じ土俵に並んでいます。

安く見える見積書ほど、含まれていないものが多い。ここを揃えると、比較ができるようになります。

もうひとつの物差しは、1年後です。単価ではなく、1年後にそのチームが何をできるようになっているか。これを左右するのが、後半で紹介する4つの条件です。

全社に同じことを聞く。7つの観点

それぞれ、何を聞くのかと、答えが返ってこなかったときに何が分かるのかを書きました。

1. その単価は、誰の単価ですか

最初に揃えるのはここです。提示された金額が、プログラマー1名の単価なのか、ブリッジSEを含んだチームの金額なのか、日本側の管理工数まで入っているのか。会社によって前提が違います。

聞き方:「この単価に、日本側の工数は含まれていますか。含まれていない場合、別途いくらかかりますか」

答えが濁ったら:そこは着手後に追加費用になりやすい項目です。契約前に、書面で確認してください。

2. 何名から、何か月から始められますか

ここは会社によって差が大きく出ます。数十名規模を前提にしている会社もあれば、少人数から受ける会社もある。最小人数を聞かずに進めると、想定より大きな体制を提案されます。

聞き方:「最小何名から、最小何か月から契約できますか。途中で減らすことはできますか」

なぜ効くか:減らせる契約かどうかで、初回のリスクがまったく変わります。増やすのは誰でも歓迎しますが、減らせるかどうかは会社の姿勢が出ます。

3. 契約先はどこの法人ですか

日本法人と契約するのか、ベトナム現地法人と契約するのか。トラブルが起きたときの手当てが変わります。準拠法、支払通貨、請求書の様式、そして万一のときにどこの裁判所で争うのか。

聞き方:「契約書の当事者は、どの法人になりますか。準拠法はどちらの国ですか」

補足:現地法人との直接契約が悪いわけではありません。単価は下がります。ただ、社内の稟議で説明できるかどうかは先に確認しておいたほうがいい。

4. 要件を書くのは、どちらですか

オフショア開発でいちばん揉めるのがここです。発注側が要件を用意する前提の会社と、要件整理から入る会社では、必要な社内工数がまるで違います。

単価が安い会社は、たいてい前者です。安いのではなく、担当範囲が狭い。その差を社内の誰かが埋めることになります。

聞き方:「要件定義と受け入れテストは、どちらが担当しますか。当社側で必要になる工数はどれくらいですか」

5. 開発メンバーと直接話せますか

すべてのやり取りがブリッジSE経由になると、伝言ゲームになります。仕様の細かいニュアンスが落ちるのはここです。翻訳環境を用意して直接話せる体制にしている会社もあります。

聞き方:「窓口を通さずに開発メンバーと話せますか。翻訳の環境は用意されますか。その費用は誰の負担ですか」

6. 稼働開始まで、どれくらいかかりますか

契約したその月から人が動くわけではありません。人選と契約、環境構築、仕様の受け渡し。ここを短く言う会社ほど、あとで遅れます。

聞き方:「契約から実際に手が動き始めるまで、何か月を見ておけばよいですか。その間の費用は発生しますか」

目安:人選と契約に1か月、環境構築と仕様の受け渡しに1〜2か月。合計3か月と言われたら、正直な会社です。

7. うちの案件で、合わないとしたらどこですか

最後にこれを聞いてください。答えられない会社は、案件を選んでいません。

失敗の多くは、技術力ではなく、合わない案件を受けたところから始まります。短納期の単発開発をラボ型で受ける。要件が固まりきった案件に高いブリッジSEを付ける。どちらも、断れば起きなかった失敗です。

いい答えの例:「3か月未満で終わる案件だと、立ち上げ期間のほうが長くなります」「単価の安さが最優先なら、他社のほうが条件が良くなります」。こう言える会社は、受けた案件には責任を持ちます。

見積書で必ず確認する4項目

確認する項目書かれていないと、どうなるか
単価の対象者プログラマー単価なのか、チーム単価なのかが不明のまま契約すると、着手後に「その作業は別料金」が発生します。
日本側の工数含まれていない場合、要件整理と受け入れテストは自社の工数です。総額は同じでも、社内の負担がまったく違います。
月額に含まれない費用クラウド利用料、有償ツール、渡航費、初期立ち上げ費用。ここが空欄の見積書は、金額が動きます。
契約先の法人現地法人との直接契約になっていることがあります。支払通貨と準拠法を確認してください。
委託先を選ぶときに確かめる4つの条件

チームを自社の中核として動かせるか。
4つの条件で確かめます

7つの観点で条件をそろえたら、次は運営の形を確かめます。契約がラボ型(準委任)でも、次の4条件がそろえば、海外のチームを外注先ではなく、自社のチームとして動かせます。どの会社と比べるときにも、そのまま使ってください。

  • C Constant team

    固定

    業務を理解したメンバーが、専属で継続して担当する。

    確かめ方:「担当メンバーは専属で固定されますか。交代するときは、誰がどう引き継ぎますか」

  • O Open line

    直結

    発注側の担当者と開発メンバーが、窓口を介さずに直接やりとりできる。

    確かめ方:「窓口を通さずに開発メンバーと話せますか。翻訳の環境は誰が用意し、費用は誰が持ちますか」

  • R Real-time view

    可視

    発注側が報告を待たなくても、進捗、課題、リスクを把握できる。

    確かめ方:「報告を待たずに、進捗、課題、リスクを見られますか。報告の頻度はどれくらいですか」

  • E Embedded knowledge

    継承

    仕様、判断の理由、運用の知識が、人ではなく仕組みとして発注側に残る。

    確かめ方:「仕様と判断の理由は、どこに、どんな形で残りますか。成果物の権利はどちらに帰属しますか」

比較用チェックリスト(各社の回答を書き込んで使えます)

条件各社に確かめることA社B社C社
固定担当メンバーが専属で、継続して担当するか
交代するときの引き継ぎ方法が決まっているか
直結窓口を通さずに開発メンバーと話せるか
翻訳の環境を誰が用意し、費用を誰が持つか
可視報告を待たずに、進捗・課題・リスクを見られるか
進捗報告の頻度(日次・週次・月次)
継承仕様と判断の理由が、文書や仕組みとして残るか
成果物の権利がどちらに帰属するか
4つの条件は、発注側の協力もあってそろいます。 判断を返す担当者を1名置けるかどうか(専任でなくて構いません)も、社内で先に確かめておいてください。

この4条件をそろえた運営の形を、IDSではCORE型と呼んでいます。IDSの回答は、下の質問リストに入れてあります。

このまま各社に投げてください

同じ質問を全社にぶつけて、回答を並べる。これが比較のいちばん確実な方法です。IDSの回答も入れてあります。

質問IDSの回答(2026年9月時点)
エンジニア1名の月額はいくらですか開発エンジニア(Dev)が月額20万〜50万円。ブリッジSE(PM兼務)が月額50万〜90万円。幅は担当する技術領域と経験の差です。
日本側の工数は含まれますか別建てです。固定で月20万円、または稼働実績に応じた精算(人月単価150万円)。要件整理、レビュー、進捗管理を日本側の担当者が持ちます。
最小何名・何か月からですか数名程度のチームからお始めいただいています。最小契約期間は3か月です。少人数で始めて、15名体制まで広げた保守案件もあります。
途中で人数を減らせますか3か月ごとの更新のタイミングで増減できます。数名程度のチームから始めて、手応えを見ながら育ててください。
契約先はどの法人ですか日本法人・株式会社アイディーエスです。ベトナム側は100%子会社のIDS Vietnamが担当します。
要件定義は誰がやりますか日本側の担当者が担当します。社内に要件を書ける方がいる場合は、Devだけの構成にして費用を下げられます。
担当メンバーは固定ですか固定の専属チームです。御社の業務を理解したメンバーが、継続して担当します。
開発メンバーと直接話せますか話せます。Slackをお使いなら、日本語とベトナム語が自動翻訳される環境を当社負担で構築します。窓口のBrSEは日本語能力試験N2以上です。
報告を待たずに進捗を見られますか進捗は日次で報告します。AIによるPJ管理(進捗レポートの自動生成、議事録からの課題抽出、リスク検知)で、課題とリスクも見える形にします。
仕様や判断の理由はどこに残りますか仕様と判断の理由をAI-SDDに蓄積します。成果物はお客様に帰属します。既存システムはAIリバースで見える化してから引き継ぎます。
稼働開始までどれくらいですか人選と契約に約1か月、環境構築と仕様の受け渡しに1〜2か月。戦力になるまで合計3か月が目安です。
月額に含まれない費用は何ですかクラウド利用料、有償ツール・ライセンス費用、現地訪問時の渡航費、初期立ち上げ費用。AI開発に使う有償ツールの費用は当社負担で、御社には請求しません。
セキュリティ体制はどうなっていますか指紋認証による入退室管理、専用の隔離作業区画、VPNによるネットワーク分離、ISMS準拠のポリシー。
うちの案件で合わないとしたらどこですか「今週から人が欲しい」案件、3か月未満で終わる案件、単価の安さだけで選ぶ案件。いずれも他の選択肢のほうが条件が良くなります。
回答が揃わない項目があったら、そこが差です。 答えられないのではなく、答えると不利だから書いていない。比較の場面では、それも情報として扱ってください。

IDSが合う案件、ほかの選択肢が合う案件

比較の材料として、IDSが合う案件と、合わない案件を並べておきます。

内容
向いている数名程度の小規模なチームで始めたい。大手に頼むほどの規模ではないが、現地企業に直接発注して要件整理まで自社で持つのは避けたい。継続的に改修が発生する自社サービスや業務システム。仕様書がない既存システムの引き継ぎ。COBOLを含むレガシーの保守。
向いていない数十名規模で一括して任せたい。社内に要件を書ける人がいて、単価の安さを最優先したい。3か月未満で終わる単発の開発。今週から人が欲しい。

合わない案件の場合は、初回のご相談でそうお伝えし、その理由と、代わりに考えられる選択肢もお伝えします。

比べる材料を、そろえてください

いまの状況に合わせて、次の一歩を選んでください。どれも、他社と並べる材料としてお使いいただけます。

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