住宅ローンDXを支える基盤として——煩雑な業務を自動化し、本質的な顧客体験の向上を実現
iYell株式会社様

iYell株式会社様
iYell株式会社(以下、iYell)は、「応援し合う地球へ 〜chain of Yell〜」というビジョンのもと、住宅ローン市場に革新をもたらす日本最大級の住宅ローンプラットフォームを展開しています。
テクノロジーの活用はもちろんのこと、何よりも「人とのつながり」を大切にする文化を根幹に置き、関わるすべてのステークホルダーの「挑戦」をポジティブに応援する独自の企業姿勢が特徴です。
iYellグループは、住宅事業者向けクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」や、金融機関向けに住宅ローン顧客の集客・業務効率化をテクノロジーでサポートするプラットフォーム「モーゲージコア」の開発・運用を軸に、複雑な住宅ローン業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進。専門知識と最新技術を融合させることで、家を建てる人、住宅事業者、金融機関のすべてにとって、よりスムーズで幸福な住まい探しの体験を実現しています。
いえーる ダンドリ
住宅ローンに関する煩雑な手続きや金融機関との調整業務を、iYellの住宅ローンの専門家が代行・サポートするクラウドサービスです。専用のスマートフォンアプリを通じて、お客様とのコミュニケーションや書類提出もスムーズに完結。住宅事業者の業務負担を大幅に削減し、本来の「家を売ること」に専念できる環境を提供します。

iYell様が抱えていた課題
- 国内でのエンジニア調達はできていたもののコスト面から拡大が難しく、開発スピードを加速できる体制を模索していた
- 単なるシステムの「外注先」ではなく、自社の社風や文化にマッチし、チームとして一体感を持って伴走できるオフショア企業を探していた
- 事業環境の変化に伴い、既存システムに対する改善・改修要望が随時発生していたが、リソース不足によりスピーディな対応が難しく、柔軟に動ける体制構築が急務だった
IDSからの提案・対応
- メンバーを固定した「専属チーム(ラボ型)」を構築し、中長期的に安定した開発リソースを提供することで、生産性を段階的に上げる
- ご担当者様(初瀬様)が実際にベトナムに一定程度の期間滞在することで、ベトナム側での仕様認識齟齬を早期に発見するとともに、コミュニケーション量を増やすことでベトナム側でのナレッジ蓄積を目指す
- AI駆動開発を導入することで、高速開発並びに品質向上を実現する

開発概要
いえーる ダンドリ、モーゲージコアなど複数案件の開発・改善を、専属チーム(ラボ型)体制で支援
- 対象システム:
- いえーる ダンドリ、モーゲージコアなど複数案件
- 体制:
- BrSE 1名、PG 4名、QC 2名
- 規模:
- 現在:7人月
- 期間:
- 2024年6月〜現在
- 技術要素:
- PHP8.3、Laravel11、Node22、ReactJS…etc
Interview
オフショア開発についてどのようなイメージをお持ちでしたか
私自身はこれまでエンジニアリングの経験が少なく、主に営業などを担当していたため、「オフショアだからどうこう」といった特別なイメージはあまり持ってはいませんでした。また、個人的には楽観的な性格ということもあり、なんとかなるだろうとポジティブに捉えていました。
一方で、会社全体としては、ポジティブな意見とネガティブな意見がほぼ半分ずつに分かれていました。
ポジティブな意見では、「単価も安いし、新しいことをやってみてもいいのではないか」と肯定的に捉える人が半数、反対に、ネガティブな意見を持っている方々は、過去にオフショア開発で「思ったよりうまくいかなかった」という失敗を経験しているベテラン層で、「もしかしたらうまくいかないかもしれない」と不安視する人もいるような状態でした。
スマラボをパートナーに選んだ理由
オフショアを検討する上で、まず初めにどこの国に頼むかを話し合いました。
地理的・文化的な親和性という面で日本との距離的な近さや文化の近さ、文化交流の多さなどから、ベトナムが適しているという考えに至りました。
当時IT関連の展示会を訪れた際、ベトナムのオフショア企業の出展が多く、日本向けの開発に積極的に取り組んでいる印象を受けたことも大きな理由でした。
国が定まり、次はどこの会社に任せようかと探し始めました。ベトナムのオフショア企業をGoogleで検索し、上位10〜20社ほどに問い合わせを行い、最終的に4〜5社と面談をした上で、以下の点が決め手となりスマラボを選びました。
- 1.これまでの実績:過去に関わったサービスなどの実績が豊富でした。
- 2.面談での安心感:実際にお話をした際の安心感が決め手の一つとなりました。
- 3.レスポンスの速さ:問い合わせややり取りにおける対応の早さが好印象でした。
- 4.日本法人の存在:オフショア開発が初めてだったこともあり、「ベトナムにしか法人がない企業」との取引には不安を感じていましたが、日本に法人があり、一定の実績があることで大きな安心感に繋がりました。
これら複数の要素を総合的に評価しスマラボを選択しました。
プロジェクトを進める上で苦労されたこと
プロジェクト開始初期には成果物に対して、社内エンジニアから指摘が入ったことがありました。内容としては、オフショア側が作成したソースコードを社内のエンジニアがレビューをしようとしたときに、成果物として上がってきたものに少々問題があり、不満が出ることがありました。しかし、それは私たち側が用意した「既存システムの環境(前提条件)」がそもそも整っていなかったこともあり、オフショア側は渡された環境の中で要件通りに動くものを作ってくれました。当時は、エンジニアではない私が間に入って要件を伝達していたため、「元々の環境に課題があった」という前提条件の情報が抜け落ちてしまい、結果として社内エンジニアに「オフショア側のレベルが低い」という誤解を与えてしまうといったことがありました。
これを解消するため、技術的なやり取りは私だけが間に入るのをやめ、エンジニア同士が直接Slack等でやり取りできる環境を整備しました。また、最近では社内エンジニアのレビュー負荷を下げるために、AI(Claude)による自動レビューを間に挟むといった工夫も行い、現在も試行錯誤しながらトライしています。
コミュニケーション改善に向けた取り組み
オフショア開発を行う上で、コミュニケーションが課題になることは事前に聞いていたため、まずは現地への常駐と密なコミュニケーションが必要だと考えました。「とりあえず行けばなんとかなる」と決断し、私自らがベトナム現地へ渡航して常駐しました。現地での体制はスマラボの皆さんが迅速に整えてくれました。そのおかげもあってメンバーとのコミュニケーションをすぐに取ることができ、オフショア開発で課題になりがちな「報連相の不足」を防ぐとともに、問題が大きくなる前に早期発見できる体制を作ることができました。
また、BrSEのクアンとのコミュニケーションを増やす取り組みも行いました。プロジェクト開始当初は、週1回の進捗報告でしたが、一度日本に帰国した際にSlackでの連絡頻度が低下したことがあり、コミュニケーションの回数を増やすため、私が日本にいる期間であっても「毎日必ず30分」のミーティング時間を固定で設けるように変更しました。特別な用件がない日でも時間を確保することで、現地メンバーが情報を上げやすい環境を作りました。
BrSE(クアン)とのやり取りにおいて、日本側が求める細かなニュアンスや意図が口頭だけでは伝わりきらない場面がありました。これを防ぐため、口頭でのやり取りの後に、スプレッドシートや仕様説明書へ必ずテキストで内容を残すように工夫しました。これにより、相手が翻訳ツールを活用して内容を正確に見返すことができるようになり、認識のずれを最小限で抑えることができました。
専属チーム(ラボ型)体制をとることで感じたメリット
メンバーが固定された専属チーム(ラボ型)体制をとることで、主に以下の3つのメリットを感じています。
- 1.背景や要件をゼロから説明する手間が省ける
同じメンバー(特にブリッジSEのクアンなど)で継続して開発を行っているため、新しい案件や改修が発生した際にも、プロジェクトの背景や「何をしなければならないか」といった前提条件を毎回ゼロから説明する必要がないため非常に助かっています。 - 2.初動のスピードが早い
前提条件の共有がすでにできているため、改修などの際にも「いきなり要件から入る」ことができ、開発の初動が非常に早い点もメリットを感じています。 - 3.アウトプットのズレが少ない(期待通りのものができる)
コミュニケーションが円滑にとれている固定チームであるため、こちらからお願いしたものが「全然違う形で出てくる」ということがほとんどない点も、チームが固定されているからこその大きな安心感とメリットに繋がっています。
現在のチームメンバーとBrSE(クアン)への評価
クアンさんに関しては、プロジェクトに参画した当初は、前任者と比較して日本語の聞き取りに課題を感じ、「コミュニケーションが取れるか」「プロジェクトを任せて大丈夫か」と不安に思う時期がありました。しかし、実際に業務を進めてみると、大きな問題は生じませんでしたし、特にSlackでのレスポンスが非常に早く、口頭でのやり取りの後にテキスト(スプレッドシートや仕様書など)を残すように工夫したことで、クアンさんが翻訳を駆使して内容を的確に理解し、素早く対応してくれるようになりました。
プロジェクトを共に進める中でクアンさんの仕事の進め方が分かり、今では安心して任せられるようになっています。
ベトナムのチームメンバー全員が、プロジェクトに対して非常に積極的に対応してくれている点に感謝しており、とてもありがたいと思っています。開発にAIを導入するという新しい試みに対しても、クアンさんを含めチーム全体が非常に前向きですし、メンバー自らが「(AIを使うことで)どんどん良くなっていくので楽しい」とポジティブに取り組んでおり、私も今後のスピードや品質のさらなる向上を期待しています。
総じて、当初の不安を乗り越え、現在は非常に良好な信頼関係が構築されており、チーム全体の前向きで積極的な姿勢がプロジェクトの推進に大きく貢献していると考えています。
スマラボに改善してほしいことやリクエスト
私自身は、現在スマラボ(IDS)とのプロジェクト進行や体制そのものに対しては非常に満足していて、特段の改善要望や不満点はないです。
ただ、今後の「期待」や「リクエスト」として、AI開発による生産性向上の「定量化(可視化)」と「評価方法」をわかりやすくしてほしいです。現在、開発プロセスにAIを導入する新しい取り組みを進めていますが、その成果や生産性の向上をどのように計算・評価すべきか、iYell社内でも悩んでいるところです。そのため、スマラボに対しては、AIの活用によって「どのくらいスピードや品質が上がったか」を感覚ベースではなく、客観的なデータとして定量化(数値化)して見せてほしいと思っています。
スマラボをどのような会社におすすめしたいか
スマラボ(IDS)をこれまでベトナムと接点がなかった企業や、オフショア開発の経験がない企業に特におすすめしたいです。
理由としては、日本側(日本人スタッフ)による手厚いサポート体制が整っている点にあります。ベトナム現地だけで事業を行っているオフショア企業もある中で、スマラボは日本のスタッフが「こうすればより良くコミュニケーションが取れる」「こうやると失敗しやすい」といった成功事例・失敗事例のノウハウを豊富に持っています。
そのため、現地のチームとのコミュニケーションを円滑に進めるための具体的なアドバイスやサポートを受けることができ、初めてオフショア開発に取り組む企業でも非常に安心して依頼しやすい環境が整っていると思います。
「いえーる ダンドリ」のサービスについて
「いえーる ダンドリ」は、iYell社が主力事業として展開している、売買を専門とする不動産事業者向けのサービスです。具体的には、住宅購入者の住宅ローン選びから、銀行との貸付手続きまでを弊社がサポートする内容となっています。
このサービスは、不動産事業者と住宅購入者の双方に以下のようなメリットを提供しています。
不動産事業者側のメリット
住宅を購入する方の9割以上がローンを利用しますが、その手続きに関する業務は不動産事業者の全体業務の約25%を占めていると言われています。事業者にとって「家を売る」という本来の主業務ではない部分に多くのリソースが割かれている現状があり、この手続きを「いえーる ダンドリ」に外出し(アウトソーシング)することで、事業者は本来の販売業務に集中できるようになります。
住宅購入者(お客様)側のメリット
全国には約600行の銀行があり、一般のお客様にとっては「どの銀行に申し込めばいいのか」が非常に分かりにくい状況です。そのため、「ローン審査に落ちてしまい家が買えなかった」「もっと低い金利で借りられたはずなのに、自分で最適なものを見つけられず高い金利になってしまった」というケースが少なくありません。『いえーる ダンドリ』では、お客様一人ひとりに合った適切なローンをご案内し、こうした手続きの不安やミスマッチを軽減するサポートを行っています。
※審査基準は各金融機関によって異なり、お借入れを保証するものではありません。


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ブリッジSE/クアンのコメント
iYell様とのプロジェクトが始まってから約2年、単なる開発パートナー以上の絆を感じています。
オフショア開発ではコミュニケーションが壁になりがちですが、私たちは毎日30分のミーティングを通じて、仕様の裏側にある『想い』を共有しています。この密な連携があるからこそ、急な仕様変更や難易度の高い要求にも、迷わずスピード感を持って対応できています。
最近では、AIを活用した新しい開発手法にも挑戦しており、チーム全体が『どうすればもっとiYell様の力になれるか』を自発的に考えるポジティブな組織になっています。初瀬様からいただいた『成果の定量化』というリクエストも、さらなる進化へのチャンスだと捉えています。
国境を越えた『ワンチーム』として、日本の住宅ローン市場に革新を起こす一翼を担い続けられるよう、全力で取り組んでまいります。
PJC/尾﨑のコメント
今回の専属チーム体制の構築においては、チームおよびBSEのコミュニケーションの個性とお客様側の担当者のコミュニケーションの個性とのギャップを早期に埋めることが重要であり、またそれを埋めることができたことが良かったです。
ここでいうコミュニケーションとは広義の意味です。具体的な問題事例としては、体制構築の初期段階において、オフショア開発で起きがちな品質問題である「暗黙の品質要求をくみ取れない」事態が発生しました。暗黙の品質要求とはお客様が言葉にしなくても当たり前に汲み取り担保すべき品質のことです。この件では振り返り活動にて「暗黙の品質要求とは何か?」「お客様の考え方」「テスト観点/チェックリストの改善」の指導を行い、その後の品質が改善できました。当社ではIDS日本側の担当者(今回は私)主導で、必要なタイミングで振り返り活動を行っており、今回はその効果が発揮できたと考えております。
その後、初瀬様がIDSVオフィスに常駐いただくことでコミュニケーションの質がさらに強固となっており、非常に感謝しております。今後は、現在の強固なコミュニケーションにAI駆動開発の取り組みを加えることで、iYell様および初瀬様にとってかけがえのない専用チームへと昇華させてまいります。